盲亀浮木の縁
太平洋の深い海底に
目の見えない一匹の大海亀が住んでいました
この大海亀は
百年に一度だけ海上に出てきて
新鮮な空気を吸って
ふたたび海底にもぐるのです
百年に一度しか海上に出てこない大海亀が
今浮きあがろうとしているところへ
たまたま古びた板きれが1枚ただよっていました
板きれのまん中には穴が一つ
そして大海亀がまさに首を海上に突き出そうとした時
目が見えないので古い板切れに
首を突っ込んでしまったのです
このようなめったにないチャンスを
盲亀浮木(もうきふぼく)の縁といいます
自分が何かの想いにかられて
書店の棚にひしめき合って並んでいる数多くの書籍のなかから
この本を手に取る
奇しき盲亀浮木の縁なのですね
そう考えると
ひとつひとつのご縁に
感謝しなければと思います
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