夢のなかの大切な人
そこは草が茂っていて
冷たそうな小雨が長い時間降り注いでいた
とにかく長い時間
「いつか」という言葉は
わたしの心の奥の方を温かくしてくれたのに
彼は
そこにずっとうずくまっていた
私は壊れたビニール傘を差し出した
彼が思っていることすべてが
たくさんの言葉になって
わたしに届いた
わたしはビニール傘を放り出して
彼を見た
彼は
「愛されるわけ ないよね・・・」
そうつぶやいた
それはわたしのセリフで
傷つけたくないと思っているのは
わたしの方なの
声がつまった
胸の音だけが聞こえた
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