最後の水やり
ふたりの間に
白ホトトギスを植えて
大切に育てようとした
逃げ出さないように
でも白ホトトギスは
実は大切にしてもらっていなくて
逃げ出されていた
理想的な花であることを求められていた
美しく
完璧で
筋道が正しい
今日は最後の水やりの日
空はきれいで
おひさまは輝いて
本当の姿を少しだけ映してみせた
姿を現した白ホトトギスは
白ホトトギスであることをわかってもらえずに
感謝もされないで
試されていることを知りながら
悲しみを背負って
許すこともなく
静かに消えていった
白ホトトギスの花言葉は
秘めた思い
永遠にあなたのもの
恋は
時間をかけて解決するものではない
時間が経過するほど
失っていくもの
恋は
身を滅ぼすもの
愛に変えて
一緒に時を刻んでいくもの
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