外食おしぼりに真ん丸涙
友人はいつも
不安定なわたしのことを
想像以上に心配してくれていた
テーブル越しに座る彼を見ていたら
こんなわたしでも
心配してもらっていることがわかった
彼は
「ひとつひとつ解決しよう」
そう言った
彼の言葉ひとつひとつが
わたしのどこかを痛くさせて
驚くほど真ん丸な涙が
ポロポロと落ちた
ハンカチで拭けばいいのにわたし
慌てておしぼりで顔を拭いた
それから笑って
「泣くつもりはなかったんだけど・・・
ごめんなさい・・・」と
言った
そんな私を彼は静かに見ていて
それから
とても悲しくてとても大切な話をしてくれた
「だから今年の桜は・・・」と
話してくれた
「私・・・何も知らなくて・・・
ごめんなさい・・・」
泣かないように我慢したのだけれど
せっかく止まっていた真ん丸な涙がまた
ポロポロと落ちた
おしぼりで顔を拭きながら
何も知らなかった自分のことを
おバカさんだったと思った
その後
こんなわたしを友人が
嫌いになったかもしれないと
心配になって
おしぼりを持ったまま彼の顔を覗いた
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