声が好き
大好きな彼の声を忘れることはなくて
今でもしっかり覚えていて
ふとした時に想い出す
幼い頃
祖父の家にあった大きなボンボン時計の
チクタクチクタクと時を刻む音が好きだった
庭の木々から聞こえるセミの鳴き声
部屋に敷いてあるひんやりとしたあじろの感覚
懐かしくて
懐かしくて思いを馳せる
私は彼の声が聞きたくて
聞いていると嬉しくて
いつまでも聞いていたかった
でもそれは叶わなかった
イランイランの香りみたいに
彼を誘惑さえできなかったもの
空はどこまでも広がって
もう夏がくるのにね
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