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2013年2月 3日 (日)

僕は病院前のイチョウの木

僕はひとりの女性を見ている

僕は彼女が通っている病院前の

イチョウの木

その女性は

ももという名前だ


栗色の長い髪

青白い顔

ざっくりとしたセーター

身長は僕より低くて

158センチ

何を考えているのかわからない

気になる女性

いつも忙しそうに慌てて

僕の前を通り過ぎる


病院へ入ると

自販機でお茶を買って

呼吸器内科の待合室に座る

座ってまっすぐ前を見て

何か考え事をしていると思ったら

壁にもたれている

ゲーテのウェルエル 

星の王子さま

本を読んでいると思ったら

居眠りをしている

ラフマニノフ 

マーラーとかいう音楽も

聴いているようだ


待ち時間

ひとりになれる時間を楽しんでいる

診察室に入ると

なにやら笑いながら話している

そしてすぐに出てくる

それから慌てて薬局に向かって

そこでジャスミンティーを飲む

また

忙しそうに僕の前を通る

その時

僕を見上げるんだ


つらそうな顔

元気そうな顔

悲しそうな日

笑っているような日

僕は呆れてみたり

笑ってみたりしている

今にも声をかけそうになることを

我慢しながら

でも

もうさよならなんだ

僕はもうすぐ切られてしまう


嬉しそうなももに

黄色な葉を

振りかけることもできない

黄色いじゅうたんみたいね・・・

そう小声で言って喜んで歩くももを

笑顔を

もう見ることもできない


ならば

ももが目の前にいる間に

黄色な葉を

振りかけられる時のなかで

ももに手が届く時のなかで

この気持ちを伝えておけばよかった


いつも僕は見ているだけだけれど

本当はいつも君のことばかり考えていて

誰よりも心配していたんだ

好きだよ ありがとう

ごめんね 

さようなら   もも


春になって僕の体から芽が出た時

ももは気付いてくれるだろうか

もう

遅いだろうか

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コメント

イチョウ君に教えてもらったももさんのひととき。

ももさんはイチョウ君の気持に気付いていたの?

気付いていたから、見上げていたんだね^^

気づかない内に誰かが想いをよせ・・見守ってくれている・・優しさに包まれている事に気づかない・・でも、そっと見守ってくれいる・・想いは、ある日、なにかのきっかけで気づくかも・・何かのパスワード・・何かの鍵・・そして、解かれるラビリンス・・正解への道は1つではないような気がします・・奇跡が起こりイチョウの木は切られないのか・・それとも地面に落ちた銀杏が発芽して芽生えるのか・・きっと何時かは想いに気づくと・・気づいて欲しいと思います・・ももさんはイチョウと言うより華やかな胡蝶蘭のイメージですよ~♫

街路樹はいつの間にか
切られて、幹だけになってますよね
それでも、数年たつと立派な枝をつけて
葉を茂らせます。

イチョウの木も再生して
ももさんを見守ってくれると思いますよ・

 剪定なんでしょうか?それとも、ばっさり切られてしまうのですか?理由があってのことだと何でしょうね。剪定なら、又の再会が、楽しみですね。

思い当たる節がいくつもあって、もしかして、本当に切られてしまうのでしょうか…。
切られても切られても、ずっと見守っていると思います。
黄色な葉をいつまでも振りかけさせてくださいね。

写真、メプチンですね。お具合はいかがですか?
心配してます。。。

pezさま
pezさん、ありがとう
あっ、恥ずかしいかも。
ももさんはかなり鈍感な人でね、
プレゼントをいただいても、抱きしめられても、告白されても、
???と驚くくらいの人なので、
わかっていたような、わかっていなかったような・・・
行動を観察していたら、
上の空みたいでちょっと変かな?疲れているの?くらい
上の空って、恋なのかしら。
いつも見上げてはいるのですけれど。
pezさ~ん、ももさんね、
100の東京カフェガイドLoveCafé買ったのー。
4月から都内を毎日ふらふらすることになったので、楽しみ
お返事、遅くなってごめんね

ボーチャンさま
ボーチャンさん、ぷふふありがとう。
イチョウの木が、ももさんのようでしたか?
それも、素敵。
ももさんは、野に咲く花が好きなの。
自然のなかにいるような、
ちいさなお花が好きです。
ボーチャンさんはどんなお花が好きですか?
それよりなにより、
目の疲れはいかがですか?
あっ、質問ばかり~
お返事、遅くなってごめんなさい


pauchinさま
pauchinさん、コメントありがとう。
いろいろなところに、コメントありがとう
実は病院前のイチョウの木は、
根元からバッサリ切られてしまったのです。
みなさん気付いていなかったかもしれませんが、
とても美しい木でした。
最後に振り返ってイチョウの木を見た時は、
放心状態のように思えました。
これは別の話し・・・。
ももさんの、
気のせいかもしれませんけれど。
お返事、遅くなってごめんなさい。

tancharさま
tancharさん、コメントありがとう。
バッサリ切られたように思えましたので、
怖くて泣いてしまいましたが、
もしかするとまた、
再会できるのかもしれません
お返事、遅くなってごめんね。

へぺさま
へぺ殿、コメントありがとう。
お返事、遅くなってごめんね。
思い当たることがありましたか?
イチョウの木は、もう切られてしまったのー。
病院に通われているみなさんは、
ご存じではないかもしれないですけれど、
ももさんはとても残念です。
もしかすると、
また芽が出てくるのかもしれません。
でも、
もう会うことはないのでしょうね。
これは別の話し・・・。
お花が枯れる時、
最後にお水をあげるでしょ?
そうするとどこかで、
またお花が咲くんですって。
ココログのお友達が教えてくださいました。
黄色な葉を?ありがとう
はい、メプチンです。現在乱用中です
だってドクターが、乱用しろっておっしゃるんですもん。
いつも、ありがとう。
へぺ殿も、ご無理なさいませんようお身体を大切に。
気管支に負担がかかる時期ですから、
お気を付けくださいね。

ももさんが気付いたと言うことだけでイチョウくんは満足していることでしょう。
もう出会う事はないけれど、ももさんのこの詩により何人の人のコメントが。僕には聞こえますア・リ・ガ・ト・ウの言葉が。

鮎酔さま
LOVE鮎酔殿、ありがとう
ももちんワールドの住人になってくださって嬉しいです。
おケガは大丈夫ですか?
イチョウくんはいろいろな形になり、
読み手のみなさまのなかで形を変えているのですね?
自分のことのようでもあり?
過去、現在の恋愛のようでもある?なの?
ご負担になるようでしたら申し訳ないので、
そんな時には夢物語だと思ってくださいね。
また、遊びに来てください。

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