自分よりも
その瞬間から
わたしはラブレターを書き始めました
1通目は桜
2通目は青空模様の便せんを選びました
3通目の花の便せんを届けた時には
彼はすっかり
自分より大切に思えるひとに
なっていました
もし自分の方が大切だったら傷つくことが怖くて
守るものも多くて
何も伝えられなかったと思います
お返事はいただけませんでしたがそれからずっと
ここにラブレターの続きを描きました
長い間わたしがまいてきた種である
作品や詩に
いつか花が咲いて
また種になることを願っています
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その瞬間から
わたしはラブレターを書き始めました
1通目は桜
2通目は青空模様の便せんを選びました
3通目の花の便せんを届けた時には
彼はすっかり
自分より大切に思えるひとに
なっていました
もし自分の方が大切だったら傷つくことが怖くて
守るものも多くて
何も伝えられなかったと思います
お返事はいただけませんでしたがそれからずっと
ここにラブレターの続きを描きました
長い間わたしがまいてきた種である
作品や詩に
いつか花が咲いて
また種になることを願っています
ちいさなわたしが眠るまで
いつもかちかち山の話しを
してくれていた
祖母が話すかちかち山はかちかちかちのところで
入れ歯からかちかちかちと
音がしてきて
ぼうぼうぼうは本当に火が燃え盛るようで
ちいさなわたしは
どきどきとしていた
たぬきが背中が燃えていることに気がついて
あちちちちと叫ぶところは
祖母の話しかたがおもしろくて
わたしは掛け布団で顔をかくして
うふふと笑った
毎日同じ話しを聞くのに不思議と退屈はしなかった
たぬきはおばあちゃんを食べてしまった
悪いたぬきなのだけれど
背中が痛そうでとても気の毒
わたしのおばあちゃんを食べたりしないかしら
いつもそのあたりでぐっすりと眠ってしまっていた
どこからサンタさんは入るの?と
父に聞いたことがあった
父はお風呂からだよと
答えた
新聞に書いてあったけれどサンタクロースが煙突で
まっ黒になったらしい
うちは入りやすくて良かったねと
父は言った
それは大変だとわたしはお風呂に入るたびに
換気扇のところを見上げて
入りにくそうだけれど
体がきつくないかしら
汚れないから大丈夫かしらと
考えていた
クリスマス枕元にあるプレゼントに
大喜びするわたしを
両親は嬉しそうに見つめていた
メリークリスマスわたし実は今とても
とても悩んでいることがあって
青空の彼に相談したいのですでも相談どころか
お話しする機会もなくて
とにかく困ってしまいました
他のかたではなかなか
難しい話しなので
ぜひ彼に相談してみたい
これって夢みたいなはなしで
叶わないことでしょうか
叶うと嬉しいのですけれど
やっぱりダメ?
どれだけひとがもろく
どれだけひとが強いのか
あなたは知っているかもしれない
だけれどわたしは
無知で何のとりえもないただ
ちいさなことで笑ったり
ちいさなことで喜んだり
コトコトと煮込み料理を作ったり
床掃除をしたりするだけの女性だから
あなたが誰かを思うなら
あなたの思いと時間を
わたしではないその誰かに
譲りたい
あなたが誰かに必要とされているなら
あなたの思いと時間を
必要としている人たちに
譲りたい
わたしには
どうしても もったいないので
わたしは
無理にもらわなくていいのですよ
今日も窓から眺める空がきれいで
瞳を閉じると
青色が滲みました
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