最後のバレンタイン
バレンタインチョコが店頭に並び始めると
青空の彼に渡した
ミントチョコを思い出す
恥ずかしくていつまでもほろ酔いしそうな
ほろ苦い思い出
チョコを選ぶ時目立たなくて
渡しやすい
男性用かばんに入りやすい形で
好きということを伝えられて
義理チョコっぽくない
それからえっと受け取ってもらえなかったら
持って帰りやすい
なんて考えた あの日細長い箱に入ったミントチョコを
さっと取り出せるように大きめのかばんに入れた
バレンタインのチョコレートです突然に手渡そうとした細長い箱と
わたしの笑顔
たぶん笑っていたと思うわたしの顔に彼は
わぁ びっくりした
そう言って驚いた
それからにっこりと笑ってありがとうございますと
受け取ってくださった
あの日以来バレンタインの思い出といえば
青空の彼に渡したミントチョコと
緊張してガチガチのちいさなファイターだったわたし
彼に受け取ってもらえて安心した嬉しくて幸せなわたし
恥ずかしくていつまでもほろ酔いしそうな
ほろ苦い彼との思い出となった
あの時そっと丁寧に置かれたミントチョコと笑顔が
彼の人への優しさを語っていた
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