明かり
心に明かりが灯ったみたいに
ある日恋が始まって
わたしは
明かりを灯してくれた彼を
不思議そうに見つめた
それから青空の彼と勝手に名付けて
ラブレターを描いてきた
6年も7年もずっとわたしは彼を好きでいたわけで
もはや天然記念物 彼にとってはなんとも迷惑なひと
だったのかもしれないけれど
わたしはわたしで幸せなひとだった
青空模様の便せんに思いを書いて彼に届けた日が
遠い過去になってしまったいま
当時の彼の気持ちを想像してみる
あのとき彼はクッションみたいに
ラブレターを優しく受け止めて
わたしが彼を忘れて
家族や自分を大切に思い
健やかに暮らすことを
願ったかしらなんて想像
彼はその後わたしがどうなったのかを
何も知らない
わたしも何度か彼と別人を
間違えたくらいで
ここにラブレターの続きと絵手紙を描く以外
何もしていない
そもそもわたしが彼に告白をした時点で
汚れた女性に
なってしまっただろうから
仕方がないことなのだけれど
本当は彼のことを少し知りたかったし
友人のひとりになりたかった
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