月と彼
しばらく前のことに
なるけれども
青空の彼が
わたしの生まれ故郷を
お仕事で訪れていた
わたしの故郷は彼にとって
どのような印象だったのかしらと
思ったけれども
そんなことさえわたしは知るすべがなく
美味しいものを食べたかしら
美しい景色を眺めたかしらと
ひとり ぽつりと
想った
確か月がきれいな頃だったから月が輝く空を
見上げたかしらとも
考えたっけ
そうそう彼が
わたしの故郷に訪れたということが
ちょっぴり
嬉かった あの日
昨日月がきれいだったからだからまた
嬉かったことを今日
思い出した
いつもそこにいるのにこの思いが届きそうで
届かない月の心が
どういうわけか大きくて丸いのだと思えて
だから何度でも彼を思い出す
こんなわたしを知ったら彼はきっと笑うでしょうね
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