虫の息
救急車が到着した時
血圧が下がり
目の前が暗くなり
細く息を吐くのがやっとだった
救急車のなかではさらに床に捨てられた金魚
のようになり
酸素をマックスにされた
救急車に一緒に乗った父は
救急隊員とわたしの様子から
死んでしまうのだと思ったと
後から話していた
わたしは三途の川に立ち息子たちの姿が
川の向こうにぼんやりと見えたような
気がしていた
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