愛の桃
息子が急に食べられなくなり
やせてしまったので
小児科の先生に
危険な状態ですと言われる
実家から電話があり食べないんだよねと相談すると
母は
なにも心配することはない
おばあちゃんに任せなさい
どうしたのか言ってみなさい
○○は優しい子だからねとわたしが息子に言ったことと
同じことを言った
欲しいものがあればなんでも言いなさい
桃が好きなのだから桃を買いなさい
それから鰻ということで
父からお小遣いが送られてきた
母はきっと前の彼との結婚を反対した時に
親子の縁をきるなら
子供が生まれて
困っても助けてやれないと
言ったことを気にしていて
両親が喜ぶ結婚を選んだわたしに
いまだお小遣いを渡している
虐待のはなしを聞いた時は父はお庭で泣いていたらしい
だからわたしは最近桃ばかりを買って
種をバルコニーに植えている
桃はよい香りでいろいろな種類があり
息子が食べてくれるので嬉しい
高いから買わなくていいよと息子は言うのだけれど
高いからと気にしないでお小遣いで買いなさいねと
おばあちゃんが言っていたよと
いつもながらの台詞を
わたしが言うと
何もいらないのにと息子がつぶやいた
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