ぎゅうぎゅうと
ピアノのレッスンに
連れていってくれたのは
年の離れた姉で
嫌がるわたしの腕をぎゅうぎゅうと
引っ張ってバスにのせていた
レッスンに遅れるでしょうと姉は責任感に満ちていた
わたしが熱がある日も
手を引いていた
ピアノの先生が具合の悪いわたしに気づき
座布団に寝かしてくれた
レッスンが終わると個人宅のレッスンルームだったので
その家のかたが
いつもジュースを運んでくる
先生のジュースだけ大きなガラスコップに入っていて
わたしのコップは小さくて
中身も違うので
先生のキラキラとしたコップとジュースを飲んでみたくて
うらやましいと思っていた
その日は
先生のジュースを飲ませてもらい
余計なことを言って
後で恥ずかしい思いをした
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