祖母のジャムパン
もうひとりの祖母は
おやつの時間に食パンを焼いてくれた
キッチンに立つ祖母が
コンロの火に網のようなものをのせて
食パンを焼く
しばらくすると香ばしいかおりがしてくる
幼いわたしはわくわくしながら待っていた
すると祖母はトマトケチャップのようなイチゴジャムを
かりかりに焼けた食パンに
たっぷりとぬった
母が当時のイチゴジャムは高級だったのよと言う
キッチンの光と祖母の姿
甘くておいしいジャムパン
ジャムパンを食べていた時なぜかいつも
両親の姿がなくて
祖母だけがキッチンにいた
今思い出のジャムパンを
再現しようとしても
同じ味にはならない
おふくろの味思い出の味
だからなのでしょうね
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