悲しみが吹き荒れて
雨のなかを
やぶれた大きな傘で
歩いていたら
突然悲しみが吹き荒れて
目の前に現れた
誰かがわたしの何かを悲しくて
悲しくてと
嘆いている
その悲しみが目の前に吹き荒れて
現れた
その後は白い糸になって
傘からわたし
わたしから地面に
静かに流れていくようで
雨は冷たくてわたしの心も
怖いくらいに悲しくなった
もし彼が悲しんでいたらどうしよう
わたしのことで胸を痛めていたら
どうしよう
そんなこと申し訳なくて耐えられない
ごめんねと
なぜか思った
そんな気持ちが糸みたいにまた白く
アスファルトを流れていった
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