子供は静かに溺れるというはなしと助けないひとのはなし
助けないひとのはなし
冗談ぬきで
息子はふたりとも
パートナーに任せていたら
死んでいただろう
ということが
何度かある
安心して任せられたことなどない
長男が赤ちゃんの頃に
実家のお庭で
ゴムプールに入った
危ないからパパも入ってねーと
わたしの父母が
パートナーに言っていたのだけれど
パートナーは入らず
プールにくっつけていた椅子に
座って
目の前にいる長男を見ていた
見てくれているから大丈夫と
わたしは他の用事をしていて
静かすぎると
嫌な予感がして振り返ると
長男が静かに
プールの底に目を開けたまま
横たわっていた
溺れていると
わたしが悲鳴をあげたのだけれど
パートナーは椅子に座ったまま
知らん顔をしていた
驚いたわたしはダッシュして
サンダルのまま飛び込み
長男を抱き上げた
ギャーと長男が泣いた
良かった
しばらくして落ち着いて
長男が遊び始めたので
溺れないように見ていてと
パートナーに言いながら
飲み物を運んでいたら
また長男が静かに溺れていた
この時
わたしは何が起こったのかわからず
パートナーが 助けないを
理解できなかった
お風呂も
パパと一緒がいいよね
男の子だからと
わたしは思っていたのだけれど
パートナーは勝手に入り
勝手に出るひとなので
子供はなんのお世話もされないわけで
わたしが
ふたりをお風呂に入れて洗い
お風呂上がりに
あらわな姿でむちゃくちゃに奮闘していても
パートナーは手伝わなかった
お風呂では
まるで子供を見ないで
シャンプーをするパートナー
わたしなど子供から
目をはなすことなどない
自分は洗えず出て
泣く我が子を抱いていた
次男が小さな頃のとある日
こんなこともあった
パートナーと息子ふたりで入浴中
長男が
お風呂で何が叫んでいたので
わたしがお風呂に走ったら
次男が全身びたびた
涙と鼻水だらけで
号泣しながらお風呂から出て来た
長男が
次男が静かに溺れていたので
ギャーギャー叫びながら
お湯から出したとのこと
パートナーはこの時も無視していた
子供は静かに溺れる
大人のように
手足をバタバタさせたり
助けてなどと叫ばない
経験がないからとても
静かに溺れる
だとしても
溺れているのだから助けなくてはいけない
そんなこと
当たり前のことだ
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