青空の彼への思い
桜が咲いたら
青空の彼に会いたいと
それから一緒に
蛍を見たいと
七夕がきたらどこかそわそわして
花火があがれば
せつなくなり
紅葉をひとり眺め
雪景色をしんみりと見つめる
年中空を仰いでは
青空の彼などと勝手に呼び
きれいな花が咲けば
見てもらいたくなり
おいしいものを食べれば
一緒に食べたくなる
美しい景色を見れば伝えたくなる
彼がいったいいま
どのようなことが嬉しくて
どのようなことが苦しいのだろうと
考える
こんなことをおばかなわたしは
10年も続けてきた
最近
季節と彼をごっちゃにするのを
止めてみると
波立たない心が心地よく思えて
わたしに
友人として または恋人として
愛情を向けてもらうことの
ない相手を
一方的に思うことは
どこかが途方もなく疲れて
仕方がないことだとわかる
恋などということは
いい加減にしておこう
きっとこれは
彼への執着で
恋ではないのだ
彼をすっかり理想化して
心が騒いでいるだけで
いつか幻滅するはずだ
などと考えてもみた
10年
側にいたわけでもないのに
いつまでも好きなんて
わたしはただの気持ち悪いひと
なのではないかと恥ずかしくもなる
自分でも気持ち悪くて
忘れてくれないこの心を
もて余している
なぜ昨日会ったかのように
彼のことが毎日頭によぎるのか
10年前は
タブーとしても
おそらくわたしに
魅力がなくてふられたわけで
あれから10年も経過して
彼はわたしのことなど
すっかり思い出しもしないだろうに
なぜ
昨日会ったかのように
毎日思うのか
心がつながっているように
感じるのか
本当にわからない
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