なにもしなかった
まだ息子ふたりが
小さな頃
マンションの火災装置が鳴ったことが
あったのだけれど
火災が発生しました
ただちに避難してください
というメッセージとともに
けたたましいサイレンが部屋中
マンション中に鳴り響いて
わたしはすぐにふたりの息子を
連れて
どこから火や煙が出ているか
確認してから
通帳を持って外に出た
ふりかえると
さっき
ニヤニヤしながら
廊下を歩いていた旦那がいない
もし火災がもも宅の玄関側なら
玄関を開けたら
火が爆発的に入ってきてしまうけれど
その気配がなかったから
玄関から出たものの
旦那は
なぜ子供を抱き抱えて逃げない?
玄関がだめなら
バルコニーに避難ばしごがある
そっちがだめなら
布団でも放り投げて
もうひとつのバルコニーから
ロープで降りるしかないと
考えていたわたし
玄関側から出ると
火も煙も見えなかった
他のお宅からもみなさん出て来ていて
お父さんたちが
火災原因を消火しようとがやがやしていた
すぐにとあるお宅が
火元とわかり
みなさんで
ピンポンしたのだけれど
返事がない
どんどん どんどんと
重たい玄関扉をお父さんたちが叩いた
返事がない
もしや火災で
倒れているのではないかと心配して
大丈夫ですか?と
お父さんたちが大声を出し始めたのが
もも宅から見えた
後で
そのお宅のひとが
火災確認ボタンを
間違って押してしまったと
わかり
お父さんたちが
みなさん間違いですと言いながら
良かった良かったと
帰って行った
みなさんも帰って行った
わたしもふたりの息子を連れて
もも宅に入った
まだ幼かったから
ふたりを抱えて飛び出すのは
なかなかだったわ
通帳もちゃっかり持ってと
思いながら
旦那は?と見渡してもいない
旦那は部屋で何もせず
わたしがぶっとびで
安全確認していた時も
ヘラリと笑っていて
自宅に入ると
どうせ嘘でしょ?と
座っていた
わたしは
嘘じゃなかったらどうするんだと
愕然とした
それから
旦那は
他のお父さんのように守ってもくれず
子供を抱えて逃げてもくれず
消火しようともしない父親
ということがよくわかって
頼りにしたら死ぬ
火災だけじゃないけれど
という数々の実体験から
旦那はいないと思うことにした
もし
わたしがいない時間に火災があったら
何も持たなくてよいから
小学校まで走りなさい
小学校が危険なら
駅まで走りなさいと
息子たちには教えた
家族が病気になる
家族に問題が起きる
地震 台風 火事 水害などの
災害がやってくる
なんてことは
家族で生きていればあることで
そのたびに
ひとりでやってきた
次男が拒食で立てなくなった時も
災害がやってきたら
どのように避難するべきかと
悩んだもので
立てなくなった次男を
あざ笑うだけの旦那は
都度都度何も助けてくれず
無視するか怒る旦那に
わたしはもうずっと前から
息子たちの父親だという意識はない
ただ
わたしに稼ぎがないから
毎日働いてもらっている
学費を支払ってもらっている
というだけの存在
これは感謝すべき
大きなことかもしれないけれど
もっと大切なものが
家族にはあって
寝る 食べる 健康
というところが滞っているのには
ただの不摂生かに思えて
よくよく観察してみると
安心できないものが
存在している
安心できないものを解決していかないかぎり
いくら服薬しても
いくら頑張ってみても
検討違いで
気がつかないうちに
さまざまなことが起こっている
誰かのせいにしてしまえば
簡単だけれど
小さなことから改善して
心地よく暮らせるように
「嫌なものからは逃げる」
ということが大事だわ と
ずっと戦ってきて
良いこともなかったわたしは思う
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