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2019年11月15日 (金)

瞳が重なる

以前は

青空の彼が

どこか

わたしの知らない場所

彼の休憩場所のようなところで

飲み物を持って立って

休憩をしていて

 

思い出したように微笑んでいる姿が

わたしの瞼に

突然浮かんできて

 

ああ

彼が笑っていると

嬉しくなったもので

 

だからといって

その光景がどういう意味なのか

はっきりと

わからなかったのだけれど

 

こんなに

月日が経過しても

どこかで

心が繋がっているような

 

わたしを時折

思い出してもらっているような

気が

勝手にしていた

ほんと 勝手に

 

だけれど

最近になって

その光景は

すっかりと見えなくなり

 

今度は

彼の瞳が

大きくわたしに重なって

たびたび

現れるような

不思議な感覚に変化していった

 

彼の瞳が

わたしの瞳に

重なっていく

 

それは

近くで見られている

というわけではなく

ぼんやりと

薄暗くて

ブルーに近いような

瞳が

自分の瞳と重なっていく

 

わたしが何か

祈れば

すぐに彼に伝わりそうで

 

彼の呼吸が

聞こえてくるくらいに

近くに感じる

というもの

 

まだ

近くで話していた時

のように

呼べば

返事をしてくれて

呼ばれれば

返事をするような 近さが

そこにはあって

 

どうして

彼から

離れてしまうように

時は進むしかなかったのか

しょうがないか と

思いながら

 

わたしの心が

おだやかで

ろうそくの炎のようにになり

ゆらゆら

彼の瞳と呼吸と

ともに

揺れているような時間があった

 

少しだけ

手をのばせば

彼とのたわいもない

日常のささやかな思い出が

手に入りそうなのに

 

こちらから強くふれると

どこかに行ってしまいそうで

怖くて

 

願わなければ

悲しむこともないからと

目をそらすと

 

とても近くで

ブルーの瞳と呼吸が重なっている

 

ねぇ

どうしてあなたは

瞳が青いの?

空ばっかりを見ていたの?

どうして近くで

重なっているの?

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momo

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